純和風の二階建てを家事効率の良い間取りにリノベーション
DATA
- 【構造】木造二階建
【築年数】約32年
【施工面積】約159㎡(約48坪)
- 【家族構成】夫婦・子2人
【所在地】倉敷市
【工期】約6ヶ月
【完工】2023年
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グレージュカラーのクロスと木目の組合せがご友人にも好評というキッチン。下がり天井とそれに合わせて貼り分けたフロアタイルの床との効果でメリハリが生まれ、キッチンがLDKの主役になっています。
設備、背面収納は一目で気に入ったという『グラフテクト(デュエ)』で、横185cmの二列型です。壁付けのIH側に横95cmの作業スペースを連結しています。背面収納は奥行き45cm仕様が多いのですが、キッチンと同じ64.5cmを選択でき、さらに天板や扉までも木調なので、一つの家具のような仕上がりにできることが魅力。このキッチンに合わせて背面の壁の寸法を決めているので、造りつけのような美しさです。
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キッチンとダイニングを横並びにするために柱を抜き構造補強を。抜けない柱はインテリアとして違和感のないよう設計しました。窓の上部は既存の太鼓梁を見せてインテリアの一部にしています。
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「家族が集まるリビングにしたい」。また、ご両親と3世代で囲みやすいよう「ダイニングテーブルは大きめに」と広さのあるLDKをご希望。和室と縁側を繋げ、明るく開放的なLDKを計画しました。
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キッチンからLDK全体を見渡せるのでお子さまの様子を見守りながら、または会話を楽しみながら調理などができます。
その奥はパントリーで向かって左手には家電、右手には冷蔵庫が隠れています。 -
壁付けキッチンは、ともすれば孤立しがち。北側で暗いことも一因かもしれません。
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リビングの壁掛けテレビ下は「長押(なげし)」を活用した飾り棚。3.6mもの一枚板は今や貴重です。
テレビ周りがとてもスッキリとしているその訳は、配線が全く見えないから。ご主人のこだわりでデッキ類は窓際の収納スペース内に収め、そこからテレビ裏までケーブルを通しています。また、よりスッキリ見えるようにコンセントには『パナソニック Sプレート』を選択しました。 -
床の間にあった「長押」。今では入手困難な貴重な建材です。次世代に受け継いでいけることはリノベーションならでは。
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LDKは約32帖。LDK入口から見るキッチンの眺めを気に入っているのだとお話くださいました。
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解体後の様子。間取りを大きく変えるので間仕切り壁や設備を取り払いスケルトンに。
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LDK入口にある畳コーナーにお仏壇を祀っています。幼いお子さまのお昼寝やおもちゃ遊びに程よいサイズ感です。収納スペースを設け仏具やおもちゃを収納。「使うところで収納したかった」とのことで散らかることがありません。
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リビングの一角に抜けない柱を利用してスタディコーナーを設けました。集中でき、かつキッチンから見守りやすくなるよう腰壁の高さを調整。2人分のパソコン作業が可能なようにコンセントを左右に取り付けています。
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「ここにくれば家族の誰でも探し物が分かるようにしたかった」とのご希望で、たくさん収納できるよう両サイドに可動棚を施工したパントリー。奥の足元にあるのはルンバの基地。ルンバが通りやすいよう計画し、リビングのソファは座面の高いものを選んでいます。
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パントリー内に造作した奥さまのデスク。LDKとの境は腰壁にして足元・手元は隠しつつLDKの様子が見えるようにしています。上部は木材を交差させ筋交いを模したデザインに。解体の際、筋交いのある様子を気に入られた奥さまのご要望で大工さんが造作してくれました。壁紙、キッチンとおそろいのブラケットライトも奥さまの大のお気に入り。壁紙はタイル柄なので窓の辺と柄を合わせて貼っています。
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奥さまがインスタグラムで見つけられたタイル『RIBBON/RBN-03』で洗面周りを施工。
洗面台は『アイカ シームアンダーデザイン』で天板とボウルが一体になっているので継ぎ目が目立たずスッキリしています。天板は本物の木のようですがメラミン樹脂なので水やキズに強いです。
三面鏡は人気の高い『サンワカンパニー スミス W1200』。
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洗面室隣のランドリールームでは洗濯に関する事を全部行うことができます。汚れが目立つものはスロップシンクで。洗う~干す~畳む(アイロン掛け)はここで完結します。洗濯動線が短いことで「時間に余裕が持てるようになった。間取りでこんなに変わるなんて」と言われ、さらに時短で生まれた時間は「子どもと一緒にパンをつくってみたい」と笑顔の奥さまが印象的でした。
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ランドリールームに隣接するWIC。家族4人分、オールシーズンの衣類を全部収納できているそうです。洗濯後の収納にも移動はひと部屋分だけ。
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壁の一部を開口して奥にシューズインクロークを設けました。ベビーカーの収納がラクとのこと。靴のほかアウターも掛けられます。純和風の風格ある格天井(ごうてんじょう)と写真左手の収納は残し、新たな住まいに活かしています。
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既存との調和を図り、和モダンテイストにリノベーションしています。ご主人が選ばれた照明が柔らかく灯る壁のニッチには、お子さまの絵や節句の人形を飾ります。いつの日か「熱帯魚を飼いたい」ご希望がありニッチ内側にコンセントを取り付けています。ニッチ下は節句の人形サイズに合わせた収納スペースです。
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玄関を入ると正面にあった階段を「家族の様子が分かるようにリビングを通る位置にしたい」とのご希望でリビング階段に変えました。また、昇り降りしやすいように勾配を緩やかにし、踏み板を広くしました。
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タンクレスで機能が充実している『パナソニック アラウーノ』を選択。ペーパーホルダー下にはトイレットペーパーを12ロールのまま収納できるスペースを造作しました。収納上部にも小物を置けるスペースを。縁をクロス巻きで施工しているので段差がなくスッキリとしています。
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主寝室のこだわりはベッドのヘッドボード側に造作した棚。携帯電話などの小物を置けるよう奥行きを計算しコンセントを設置しています。壁面下部すべて木製の棚に見えますが、実は天板以外は壁紙。木調の壁紙の色味・質感に近い天板を合わせて、オーダー品のような一体感ある棚になっています。
ベッドの足元の壁には壁掛けテレビを寝転んで見やすい高さになるよう1cm刻みで調整しています。
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ベッド上部の棚のコンセントは携帯電話を充電しやすい向きに施工。コンセント計画はしっかりと行い各室に数か所設置しています。壁紙は『サンゲツ SP2863』で織物のような素材感があります。
間取り
BEFORE
AFTER
COMMENT
御祖父母様の純和風・二階建てを受け継がれ建て替えを検討されていましたが、建物の状態が良いのでリノベーションでのご計画となりました。
「家族が自然とリビングに集まる家にしたい」と打合せをスタート。それまで端にあったダイニングキッチンを中央へと大きく移動し、パントリーやランドリールームのある家事のしやすい間取りにしました。
「キッチンがLDKの主役になっている」と奥さまが仰る通り、キッチンを軸にインテリアの打合せを進行。
「私の趣味を分かってくれたことが依頼の決め手」と、スタッフからの共感が嬉しかったというエピソードを教えてくださいました。
そして、元のお住まいにあった『太鼓梁』や『長押』をインテリアに活用して”価値を残しつつ新たにする”リノベーションならではの魅力あるお住まいが完成。
間取りに大きな変化のある1階をご紹介します。